メッカ巡礼

 

日本語では「犠牲祭」と訳されるハリラヤ・ハジ Hari Raya Haji。
マレーシアの祝日でもあるこの日は、イスラム教の祝日で、イスラム歴の12月(巡礼月)の10日目にあたります。

 

マレーシアでは、2019年は8月11日、2020年は7月31日が、ハリラヤ・ハジの祝日です。

 

「Haji」はメッカ巡礼を意味する

メッカ巡礼は、イスラム教徒の義務である「5行」の一つとされています。
1か月間にわたる巡礼を成功させた人は、名前にHaji(男性)、Hajjah(女性)という尊称を付けることができます。

巡礼月は世界各地からムスリムが巡礼に訪れるため、メッカに行ける人数は国ごとに決められており、マレーシアからは毎年約3万人がこの時期にメッカを訪れます。
ハジ巡礼のための旅行は高価で、1万リンギットや2万リンギットのパッケージも販売されています。非常に高価なため、タブンハジという国営の積み立て基金もあります。

Hari Raya Hajiは、この「メッカ巡礼」の最終日にあたり、巡礼者たちは、牛や羊などの生贄を捧げて巡礼の成功を祝い、巡礼に行かなかったイスラム教徒たちも、地元でこの日を祝うのだそうです。

イスラム教徒であるマレー系が多いマレー半島東海岸側やジョホール州では、犠牲祭は断食明けのハリラヤよりも大切な祝日とされていて、地元の家族とこの日を過ごすために帰省する人で、毎年渋滞が起こります。

 

神への忠誠心を称える祭り

では、ハリラヤ・ハジのお祝いで動物を生贄として捧げるのはなぜなのでしょうか?

「コーラン(クルアーン)」には、忠誠心を試そうとした神の指示に従い、一人息子を生贄として神にささげようとしたイスラム教の5大預言者の一人、イブラヒムについての記述があります。犠牲祭では、イブラヒムの神への忠誠心をたたえ、動物を捧げるのだそうです。

ハリラヤ・ハジの当日、信者は午前中モスクで祈りを捧げ、そのあとヤギや牛などを生贄として捌きます。捌いた肉は、午後2時ごろからモスクで配布されます。

Hari Raya Hajiは、Hari Raya Qurbanとも呼ばれるのですが、「Qurban」は動物をと殺するという意味もあるそうです。

 

公開日:2019年8月9日

 

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