第4回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト一般の部(マレーシア)開催

写真(下段左から3番目から右に)一般の部で優勝したアディバ アズリンさん、2位のフー ワァイ フォンさん、3位のリツ リーさん。

 

マレーシアで働く日本語スピーカーの考え、思いとは

日系語学学校 A to Z Language Centre主催の「第4回 日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト」が、9月15日、開催されました。

一般の部は11人、大学生の部は8人が出場し、「仕事」をテーマに日本語でプレゼンテーションを行いました。

一般の部の出場者には職場で日本人と一緒に働いている人も多く、日本語スピーカーとして日本人とマレーシア人の橋渡しを果たすうえで考えたこと、苦労した点、戸惑ったことなどを話す出場者もいて、審査委員を務めた日本人からも共感や賛同の声が上がっていました。

 

日本人とマレーシア人の「仲介役」としての苦労

一般の部で優勝したのは、アディバ アズリンさん(TATEYAMA AUTO MACHINE勤務)。
「マレーと日本の橋」というタイトルで、日本人の上司とマレーシア人スタッフのコミュニケーションを通訳としてサポートするにあたり、「感情」も含めて通訳することの難しさを語りました。
「技術的な面の情報伝達は知識を学ぶことでクリアできますが、上司が部下を叱るときなど、上司の気持ち、重さ、圧迫感を伝えるのは難しい。そのまま上司の言いたいことをと伝えられたらいいと思います」と語る一方で、「上司がみんなを直接叱れるように、英語やマレー語で叱る言葉や文章をまとめて、覚えてもらえるようにしたい」という、これぞ「相互理解」という案も飛び出しました。

 

2位は、ウェブディレクターとして日本で働くフー ワァイ フォンさん(ウェブ解析士協会勤務)。
「ウェブ制作あるある」というタイトルで、目的を見失いがちなウェブサイト制作において本当に大切なことは何かについて発表しました。
「かっこいいサイト」を作りたいと言うクライアントは多いが、最優先すべきはクライアントのビジネスに貢献すること。サイトに設置するボタンのデザイン一つとっても、目的を明確にすることで、デザインが決まってくる・・・という考えに至るまでは、上司に「死ぬほど考えなさい」と言われたと語ります。「仕事の目的を考え抜く」ことはどんなビジネスにも共通することかもしれません。

 

3位は、リツ リーさん(Clisk Malaysia勤務)。
ゲームと邦楽が趣味というリツさんは、留学にも語学学校にも行かずに歌やテレビ番組などから独学で日本語を習得したという日本文化好きな若者。「日本カルチャー好きマレーシア人の訪日行動」というタイトルで、自分が日本に行く際にSNSを駆使してレストランやイベントを探すなど日本好きな若者ならではの視点でのプレゼンテーションを行いました。教科書よりも日本語メディアで日本語を学んだというだけあって、日本人の日常会話のような自然な言葉遣いが印象的でした。

 

 

第4回日本語ビジネスプレゼンテーションコンテスト大学生の部(マレーシア)開催
写真(下段左から)大学生の部で3位になったチョン ソーシンさん、優勝したアイナ ヒヤマ ビンティ ザズリさん、2位のディランさん

 

レベルが高かった大学生の部

今年で2回目の開催となる大学生の部で優勝したのは、アイナ ヒヤマ ビンティ ザズリさん
母親が日本人で小さい頃から日本語を話す環境で育ったアイナさんは、「私が目指すエンジニア」というタイトルで、日本のドラマ『下町ロケット』の感想を織り交ぜつつ、日本のモノづくりの技術が高い理由について発表しました。

 

2位は、「日本人はつらいよ」というタイトルでプレゼンテーションを行ったディランさん。日本人に英語やマレー語を教えるなかで日本人の優しさに触れ、「でも、日本人は優しすぎて約束を断れなかったり、律儀なところがあったり、空気読めの文化があったり、日本人の性格のせいで日本人は辛いでしょう」と分析。それでも、将来は日本で働いてインスピレーションを得たいと語りました。

 

3位は、チョン ソーシンさん「ツアーガイド経験から学んだこと」というタイトルで、日本とマレーシアがさらに仲良くなれるような方法を提案。去年もこのコンテストに出場したそうで、「去年はパニックで話せませんでしたが、今年は大丈夫でした」と嬉しそう。受賞後のインタビューでは、「経験として一度は日本で働いてみたい」と将来について語ってくれました。

 

一般の部の優勝者には、全日空のクアラルンプール-東京往復航空券、大学生の部の優勝者には、日本在外企業協会から日本国内旅行1週間パッケージが送られました。
一般の部、大学生の部の2位には紀伊國屋書店のギフトカード、3位にはコクヨの高級文房具セットが贈呈されました。

 

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