【クアラルンプール】 リンギ安が止まらない。中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が今月3日、政策金利を引き上げた後は米ドルに対しやや値を上げたが、その後は下落に転じ、26日の外為市場では一時、1米ドル=4.6385リンギと半年ぶりの水準まで値下がりした。多くのエコノミストはリンギ安が続くと予想している。

シンクタンク市場教育センターのフェルリト最高責任者は、明確、包括的な経済戦略の欠如と中国経済の低迷を主因としてリンギ安は続くとみている。

バンク・ムアマラト・マレーシアのアフザニザム主任エコノミストは、リンギ相場は常に外的要因に左右されると指摘。経済が不透明な時は安全通貨の需要が高まるもので、そのあおりでリンギは値下がりすると述べた。

MARA工科大学のモハマド・イダム上級講師は、主要貿易相手国である中国の経済が減速しており、マレーシア産品の需要が減少するためリンギ安は続くとし、4.75リンギまで下落する可能性を指摘した。

米ドルに対してはシンガポール、韓国などの通貨も下落しており、BNMは、米欧の銀行危機で投資家が安全通貨に避難した結果と説明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月30日、マレー・メイル、5月26日)

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