マレーシアにいる今だからこそ資産運用を始めよう

マレーシアで資産運用に挑戦③ 鈴木さんのケース


マレーシアで働き始めた鈴木さんが、⼈⽣で初めての資産運⽤を決意。同連載を通じて、ファイナンシャルプランナーの柏村さんに助けられながら資産運⽤について学んでいきます。


鈴木:前回は、資産運用において日本円だけをもつことのリスクを軽減させるために、米ドルを一部所有することの合理性について学びました。

ここで気になるのが、どのようなタイミングで米ドルを買い始めればいいのかということですが、どうなのでしょうか?

柏村:通貨を他の種類に置き換えるタイミングを見極めるのは、実は非常に難しいことなんですよ。

鈴木:どうしてですか?

柏村:例えば、円を売って米ドルを買う場合に、少しでも円が強くて米ドルが弱いタイミングの方がいいと考えますよね? 今(2019年4月12日時点)、この作業をすれば約1ドル=110円という為替レートに準じて通貨の買い替えがされるわけですが、かなり多くの方が、「いや、でも今は円安なんだし買い替えはしないほうがいいのではないか?」と思われるはずです。

鈴木:はい。そういわれると、今すぐ円を売って米ドルを買うことは、損な気もしてきます。

柏村:至って普通の感覚だと思いますが、一方でこのような可能性があります。
実は現在が、対ドルで円が一番強いという可能性、つまり中・長期的に円安トレンドがだらだら続くということもあるかもしれません。もし、それが起こったとしたら、将来になって振り返った時に、「あの時に円を売って米ドルに買い換えておけばよかった!」というようなジレンマが起こるわけです。

鈴木:たしかにそういわれると、今行動した方がいい気もするし、しないほうがいい気もするし、いつ決心すればいいのか私には決められないかも……。

柏村:鈴木さんだけでなく、ほぼすべての人が同じ感覚をもつはずです。ちなみに私もこのタイミングだ! なんて分かりません。不可能なんですよ、正しいタイミングを計るということは。

だからといって、何も方法論がないわけではありません。「時間分散」という考え方を用います。2つ以上の通貨をもとうとしている人に非常に有効な方法で、通貨分散を希望している人にはぴったりです。

為替リスクを分散する「時間分散」の考え方

鈴木:「時間分散」と聞いてもなかなか想像しづらいので、分かりやすくご説明いただけますか?

柏村:まず、一つ目の基本的な考え方としては、為替リスクを一回に集約させないというものです。

例えばですが、1000万円を米ドルに置き換えたい場合、一回で1000万円分を米ドルに換えてしまうのではなく、例えば20万円を50回に分けて換えたり、10万円を100回に分けて換えるという考え方です。

鈴木:聞いてみると、結構シンプルな考え方ですね!

柏村:シンプルなんですけど、さまざまな効果をもっているんです。

  1. 時間をかけて通貨分散をすることで、相対的に低い為替リスクで米ドルなどへの通貨分散を進めることができる。
  2. 先述の例で1000万円という額を使用しましたが、1000万円という円資産を貯めた後に通貨分散をする、という流れではなく、時間をかけて通貨分散をしながら、その結果、1000万円相当の非円資産、例えば米ドルをもつことができるので、将来的に一つの通貨をもちすぎることを前もって防ぐこともできます。

鈴木:なるほど。そのプロセスをたどれば、どのタイミングで円やリンギットを売って、米ドルに置き換えたらいいのかという心配をする必要がなくなるわけですね。

個人個人で最適のポートフォリオは異なる

鈴木:柏村さんと話していたら、私のような個人で、ある程度リスクを抑えて資産運用をしたければ、やはり積み立てが適していると分かってきました!

柏村:それはよかったです。これまで、一つの通貨だけをもちすぎないことの重要性や通貨分散のタイミングなどに関してお話してきましたが、もちろんそこがゴールではありません。時間分散運用・積み立てを通して、どのような内容で運用をしていくかという選択をしなければなりません。

鈴木:あ、なんかもういろいろ勉強になったので満足していましたが、どのような内容で運用するのかも大事なんですよね?

柏村:そのとおりです(笑)。

あくまで通貨を分散するということは資産形成において土台の考え方であり、そこに運用という考え方を合わせます。つまり、実際の運用先、ファンドを決めていかなければなりません。

鈴木:参考までに皆さんはどのような運用先をもたれているんでしょうか?

柏村:内容も個人個人で異なってきます。運用先としての国、産業の好き嫌いや、積極性の度合いなど一人ひとり異なるからです。

その辺りをコンサルして絞っていくのですが、使用頻度が比較的多い分野の例としては、世界医療関連株式ファンド、世界水産業株式ファンド、金インデックスファンド、世界国債ファンド、世界ファンドオブファンド、ASEAN株式ファンドなどが挙げられます。

もちろんまだまだあるのですが、個人個人の現在の通貨バランスやリスク耐性度、リターン目標などを総合的にみて、積み立てのポートフォリオを決めていきます。

鈴木::私の場合は、自分から特にこうして欲しいというような要望はないのですが、リスクは小さめでお願いしたいです。

柏村:それでは、ドル資産がメインで、一部他の基軸通貨をいれたもので、あまり運用評価額が上がり下がりしすぎないよう、資産の種類を適度に分散させて積み立てポートフォリオをつくってみますね! それを見つつ、また考えていきましょう!


◆著者プロフィール
柏村信光
通称かっしー。資産運用コンサルタント会社「Infinity Financial Solutions」所属のファイナンシャルアドバイザー(マレーシア・ラブアン金融庁公認)。イギリスCII認定。
マレーシア初のラブアン金融庁公認日本人ファイナンシャルアドバイザーとして、主に個人を対象に、中・長期的な資産運用のコンサルタントを行い、老後生活へ向けての準備などをアドバイス。またマレーシアへ移住された方への資金管理方法の相談なども請け負う。

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◆当連載について
マレーシアにいる今だからこそ、資産運用について考えてみませんか? 日本でないと資産運用は難しいと思っている方は多いですが、マレーシアにいても資産は増やせます。

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