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マレーシア王室は6日、第15代現国王であるムハマド5世の退位を発表した。

マレーシアでは首相とは別に州の君主であるスルタンの互選により任期5年の国王(マレー語でアゴン agong)が選出される。
クランタン州のスルタンであるムハマド5世(Muhammad V)は2016年12月に国王に即位。3年の任期を残しての退位となる。

任期終了前の退位は1957年にマレーシアがイギリスから独立してから初めてのことであり、さまざまな物議を醸している。

昨年12月31日に議会が特別会議を開いたことから、ムハマド5世が早急に退位するのではという憶測が広まっていた。
次期国王が決まるまでは、ペラ州スルタンのナズリン副国王が代理として国王の業務を行うとみられる。
同国王はマレーシア国民に対して「マレーシアの統一を維持するためにお互い手を取り合い、協力し合う」と述べたが、退位の理由を正式には発表していない。

昨年11月、ムハマド5世が2カ月間の休暇中にミスコンテストで優勝した経歴を持つロシア人女性と結婚したとのうわさが流れた。
このうわさに関して、王室当局は何もコメントしていないが、マハティール首相は自身のブログに「法の支配 Rule of Law」というタイトルの記事を投稿。王室は法によって厳しく縛られていることを指摘したが、国王の退位に関して批判はしていない。

マレーシアの国王制度

マレーシアの国王制度は世界的に見ても特殊である。
一般的な王制は1つの家系が代々国王として即位するが、マレーシアでは各州を治めるスルタンから互選によって任期5年の国王が選出される。選挙制ではあるが、実際には各州のスルタンが順番に即位することが慣習になっている。
この制度は現在のマレーシアが多くの小国から成り立ったなごりであり、マレーシアに特有の制度である。なお、マレーシアは立憲君主制であり、権利の行使はほとんど内閣の助言によって行われる。

出典:Sultan Muhammad V first in history to resign as Agong(New Straits Times)