マレーシアの紙幣1リンギット札

クアラルンプールでの生活費「単身者で月1870リンギットでは足りない」

3月4日、マレーシアのリム財務相が発表した生活消費ガイド「ブランジャワンク(Belanjawanku)」が物議を醸している。

このガイドは、従業員積立基金(EPF)がマラヤ大学付属社会福祉研究センターに委託して制作したもので、クランバレー(マレーシアの首都クアラルンプールとその近郊)圏内で生活する人の月額支出の例が示されている。

例えば、単身者は1870リンギット、車を所有する単身者は2490リンギット、夫婦2人は4420リンギット、夫婦と子ども1人は5730リンギット、夫婦と子ども2人は6620リンギット、高齢の夫婦は3090リンギとなっている。

マレーシアの生活水準を示す支出ガイド

リム財務相は、「ローンなどを含め、生活費の指標として役に立て欲しい」としており、家計債務を減らす狙いでガイドを制作したと説明している。

そして、「マレーシア人は先進国よりも金融に関する知識が劣っている。2013から2017年の5年間で、10万610人が破産宣告を受け、そのうちの60%が16歳から44歳の若い世代だった。また、EPFに加入している54歳のうちの3分の2の積み立て金(年金)は5万リンギットで、EPFが推奨している24万リンギットに届いていない」 と指摘した。

マレーシアの生活水準を示すBelanjawanku

各方面からガイドに対する批判が

しかし、このガイドに対し、「1870リンギットでは暮らせない」「金額が見合っていない」など多くの不満の声が寄せられている。

マレーシア労働組合議会(MTUC)委員長は、ブランジャワンク昨年発表されたマレーシア中央銀行・バンクネガラ(BNM)の2700リンギットの生活賃金推定値がより現実的だと述べた。

また、マレーシア消費者協会連合(Fomca)のCEOは食費、交通費、住宅の賃貸料を考慮して、もう一度検討する必要があるとし、「最寄りのバス停や電車の駅が自宅から離れてる人が多く存在し、グラブやタクシーなどを利用している人も多い。また、クアラルンプール市内の家賃、食費も考慮されていない」と述べた。

ブランジャワンク(Belanjawanku)は、以下のEPSのウェブサイトからダウンロードできる。


出典:

画像出典:Belanjawanku

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