マレーシアにいる今だからこそ資産運用を始めよう

「定期預金」をどう考える?


コア・サテライトの観点で資産の管理状況を見直すことはとても重要です。気づかない偏りはリスクの集約を生みますし、精神的にも経済的にも不要な負荷がかからない運用を心がけたいところです。


今回の内容は「コア・サテライト運用」に関してです。

資産運用を考える際の基本となり、非常に大事な考え方だと思っています。

運用をコア(安定的な運用・リスクを取り過ぎない運用)とサテライト(より積極的な運用・リスクを敢えて取る運用)の形に分けて捉える手法です。

前回の記事で紹介したファンド・オブ・インデックスなどはリスクを抑えた運用であるためコア部分に当てはまると思いますし、通常預金や定期預金もコアに当てはまると思います。

コアの考え方で大事なポイントは世界情勢が悪くなったとしても衝撃を緩和できるかどうかになると考えます。

資産運用と聞くと特定分野にばかり目が行き、コアが全く無い高リスクなサテライト型のものだけで運用を組んでしまっている人がいます。

個別株、個別分野への投資、個別国への投資などは概念上リスクが集約するので、それに伴うリスクが発生することは理解しなければなりません。

定期的に振り返ってコアとサテライトのバランスを整える必要がありますし、運用のための時間が十分にある人は、必ずしも大きなリスクを取る必要が無いので、サテライト型の運用は必要ないのではないとも考えられます。

基本戦略としてはリスクを緩和できるコアを大事にし、それぞれの興味・関心、また時間の使い方によって、サテライト運用を組み込むバランスを決めていく形が良いのではないでしょうか。

重ね重ねになりますが、”時間がある”ということは過度なリスクを取らなくて良い重要な要素になるので決してこの点を軽視することはできません。

 

マレーシアの定期預金は「コア」としてどうか?

それを踏まえて説明したいのが、マレーシアの定期預金についてです。

マレーシアの定期預金がいかに良いかを日本人の方々が話しているのを聞くことがあります。

0%の世界から見ると2-3%つくのはとても魅力的ですよね。

私自身、定期預金(私はメイバンクが何故か好きです!)もしていますし、そもそもマレーシアで生活をしているのでリンギット部分は大体定期預金に入っています。

ただしこれ以上積極的にリンギット資産を大きくして定期預金をしよう!とはなりません。

コロナショックにより金利が落ちていることも少しはありますが、

*マレーシア・リンギットが基軸通貨でないこと

*国際送金・出し入れが結構面倒なこと

*経済学的には高金利通貨はインフレ通貨で通貨安になりやすいこと

などの理由に持ちすぎは避けるようにしています。

私自身マレーシアに14年住んでいて、今後も長期マレーシア生活は考えていますが、マレーシアのみで管理されている規制通貨を中心に資産形成をするというのはやはり不自然ではないでしょうか。

絶対超長期でマレーシアにいる、、、という人でなければ、海外駐在員・海外就職者にとっては貯めすぎは避けるべき通貨だと思います。

どの通貨が良い!と決めるのは難しい中で、海外居住の立場として将来設計の基本は米ドルが大きなハズレの無い管理通貨になると考えます。

 

運用内容の偏りを避ける

個人個人のライフプランニングによって、資産バランス・ポートフォリオの内容の差はでてくるということを理解しつつも、何より大事なことは偏りが生まれない形で資産形成をすることです。

偏りが原因で問題が起きてからのバランス調整は割りを食うことになります(問題が起きたから価値が落ち、どうにかしたいと思っている訳ですから)。

バランスよく資産形成を行う上でこのコア・サテライト運用という考え方はとても役立つと思います。

実は私自身が資産運用・資産形成のサポートをする時には”まずは負けないことが大事”という考え方を大事にしているので、徹底的に分散をした運用内容を行い、不要なサテライト型運用は使用していません。

コアとして分散運用を行い、精神的により優しく中・長期で行える形を目指しています。

その上で、お客様の個々のリクエストでどうしても興味がある分野や国があれば、サテライトとして一部組み込むようにしています。

(最終更新日:2021年7月13日)


◆著者プロフィール
柏村信光
通称かっしー。「Infinity Financial Solutions」のファイナンシャルアドバイザー。マレーシア・日本人商工会議所(JACTIM)の編集長&副広報委員長。マラヤ大学アジア・ヨーロッパ研究所卒。在馬歴14年。

金融庁公認のファイナンシャルアドバイザーとして、海外駐在員やリタイアメント・長期移住、母子留学や海外就職の方々など、それぞれの状況や課題に沿った資産運用・保険のサポートを行う。

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◆当連載について
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