ラマダン マレーシア

ラマダン(断食)とはイスラム教徒の大切な年中行事

イスラム教国家であるマレーシアでは、毎年「ラマダン Ramadan (断食)」と呼ばれるイベントがあります!
厳密にいうと「ラマダン」とは「断食をする月」という意味になります。期間は約1か月ほどで、その間は多くのムスリム(イスラム教徒)の人々が飲食を止めます。

しかし、断食といっても1ヶ月の間何も食べない訳ではなく、日没から日の出までの間(夕方以降から翌未明まで)に一日分の食事を摂るのです。
これは外国人旅行者などの異教徒に強制されることは無いのでご安心ください。

マレーシアの日没はだいたい夜7時半ごろ。家族や友達、同僚などとレストランや家で集い、大勢で断食明けの食事をいただきます。

ラマダンの期間中は、ホテルでラマダン明けのビュッフェを提供したり、ラマダン明けの食事を売るラマダンバザールがあちこちに立ちます。ビュッフェもバザールもイスラム教徒でなくても参加、購入できます。

ラマダンの時期は毎年11日ずつ早くなっていきます。これはイスラム暦が純粋な太陰暦(1年=354日)を使っているためです。

 

「ハリラヤプアサ」は断食明けのお祝い

一か月に及ぶ断食が終わると、待ちに待ったお祝いの日がやってきます。それが「ハリラヤプアサ Hari Raya Puasa」なのです!
イスラム教徒であるマレー系の人々にとって、一年で最もおめでたい日の一つでもあります。

この日は、多くの人が新調した服装で出かけたりします。また、家の装飾替えや大掃除などもするそうです。なんだか日本のお正月のようですね!

ハリラヤ (1)

お祝い用のお菓子

ハリラヤ (2)

ハリラヤの日の食事風景

2023年のラマダン、ハリラヤの日程は?

2023年のラマダンは3月24日(土)夕方から4月21日(月)夕方までです。

ちなみに、ラマダンがスタートする日は、Awal Ramadanと呼ばれ、ジョホール州、マラッカ州、ケダ州では祝日です。

1か月間の断食後の大祭、ハリラヤの日程は、2023年度は4月22日(土)、23日(日)と振替休日の24日(月)です。

2020年度のラマダン中の起こったクラスターで感染者が増加したので、以下のような規制があり、例年とは違ったラマダンとなりました。
 ・モスクの閉鎖
 ・集会の禁止(家族や親せきで集まれない)
 ・バザールの禁止
2021年度はラマダン中のバザールが復活し、MCO対象地域では、午後3時から午後8時で営業が可能となっていました。
2022年度は4月1日より国境が解放され、エンデミック(一定の周期で繰り返される流行)段階への移行となりますので、コロナ前のにぎやかさが戻ってきました。
2023年度は完全復活となるので、バザールのレポートも後日行いたいと思います。
ちなみに、2024年以降のラマダン(予定)は以下のようになっています。

2024年:3月10日(日)~4月9日(火)

2025年:2月28日(金)~3月30日(日)

2026年:2月17日(火)~3月19日(木)

★用語解説
断食イスラム教徒における断食とは、日の昇っている間一切の飲食をしないことを指します。
ラマダンイスラム教徒が断食をする期間(月)の事を指します。ラマダーンとも表記されます。
ファスティング(Fasting)断食の英語訳。日本でファスティングというと、プチ断食などのように美容・健康用語として使われており、イスラムの断食を表すことはあまりありません。
公開日:2014年6月30日  更新日:2023年3月18日