ニューヨーク発のコミュニティ型ワークスペース「WeWork」が、2019年初旬にマレーシアのクアラルンプールに国内初となる拠点を開設する。12月5日にクアラルンプールで行われた記者会見で、WeWork東南アジアのマネージングダイレクター、Turochas氏が発表した。
画像:WeWork東南アジアマネージングダイレクターのTurochas “T” Fuad氏(左)、Daman Land ダイレクターのDato’ Douglas Cheng氏(中央)
WeWorkは、2017年12月に東南アジア初となる拠点をシンガポールに開設後、現在までにジャカルタ(インドネシア)、ホーチミン(ベトナム)、マニラ(フィリピン)、バンコク(タイ)に合わせて16の拠点をオープン。日本のソフトバンクから受けた出資のうち5億ドルを東南アジアと韓国に投資する計画だという。
画像:WeWork Equatorial Plaza共有スペース
マレーシアでは、Daman Land Sdn Bhdと提携し、Daman Landが物件の選定などを担当する。
マレーシア初となる拠点の場所は、ゴールデントライアングルと呼ばれる都心の一等地にあるエクアトリアルプラザ(Equatorial Plaza)。5フロアを借り切り、収容人数は1,900人と東南アジア最大の拠点となる予定だ。
2019年半ば頃までに、クアラルンプール市内のバンサー(Bangsar)やダマンサラハイツ(Damansara Hights)にも拠点を開設する計画で、将来的には国内の他の都市にも進出する考えだ。
画像:WeWork Equatorial Plaza共有スペース
料金プランは3種類あり、空いているデスクを利用できる「ホットデスク」は月額950リンギット、オープンスペースに自分専用のデスクをもてるプランは月額1150リンギット、プライベートオフィスは1人当たり月額1200リンギット。すべてインターネットやプリンター、その他の施設の利用料が含まれている。料金は都市の物価や立地、入居するビルによっても異なる。
画像:WeWork Ginza Sixの共有スペース
Turochas氏は「WeWorkは、ただのコワーキングスペースではなく、”働く”という概念を変えるのがミッション」と語る。
開放感のあるスタイリッシュなデザインや頻繁に開催されるイベントが有名なWeWoekだが、社内のエンジニアチームが力を入れているのは、メンバーだけが利用できるWeWorkのシステムだ。世界中のWeWorkで開催されるイベントを検索したり、他都市のメンバーとつながるなど、「コミュニティ」を活性化させるための仕掛けが多く、その結果、他社やフリーランスとの協業が増え、効率性や生産性が上がった企業は多いという。
WeWorkは、2010年にニューヨーク市で創業。現在、24カ国83の都市に335の拠点を運営しており、32万人のメンバーが利用している。
画像:WeWork本社(ニューヨーク)