日本と同じく電子決済サービスが乱立しているマレーシアで、2019年現在、どのサービスが最も人気なのか? 調査結果が発表された。
最もアクティブユーザーが多い電子決済アプリは、以下の通り。
1位 Grab(グラブ)
2位 Touch’n Go eWallet(タッチンゴーイーウォレット)
3位 Boost(ブースト)
4位 Fave(フェイブ)
5位 Big Pay
調査を実施したのは、アプリ関連の調査を専門とするAPP ANNIE(アップアニー:本社アメリカ)と、Eコマース比較サイトを運営する iPrice Group (アイプライスグループ:本社マレーシア)。
マレーシアのインターネット普及率は80%、スマートフォン普及率は63%である。
JPモルガンのレポートでは、2021年にはマレーシアのEコマース全体の決済の7%を占める現金決済は電子決済に移行するとみられている。
画像出典:https://iprice.my/trends/insights/best-ewallet-malaysia/
1位 GrabPay(グラブペイ)
配車サービスとして知られるGrabが、2018年の第4四半期にスタートした電子ウォレット。
電子決済は、配車サービスのほか、フードデリバリ―、小売り、レストラン、Eコマース、公共料金などの支払いでも利用できる。
2位 Touch’n Go eWallet(タッチンゴー・イーウォレット)
マレーシア全土に普及している交通系ICカード「Touch’n Go」と同じTNG Digital Sdn Bhdが運営する電子決済サービス。
アプリ上でICカードと連動させて利用することができるほか、小売り店やレストランでQRコード決済が可能。また、公共料金の支払いや映画チケットの購入などもできる。
ICカードのTouch’n Goは、高速道路の料金支払いに必要なこともあり、もともとマレーシア全土に普及していた。このICカードをスマホアプリのTouch’n Go eWalletと連動させることで高速料金が一部無料になるキャンペーンによって、10万人以上が電子決済サービスの利用を始めたという。
現在、利用者は500万人以上、決済サービスを導入した事業者は10万以上。
TNG Digitalの合弁パートナーは、中国のAlibabaアリババ傘下のAnt Financial。今後、アリババが運営するEコマース「Taobao 淘宝網」と「Tmall 天猫」の決済も行えるようになるという。
3位 Boost(ブースト)
通信会社のCelcomなどを運営するAxiata Group アクシアタグループ傘下の電子決済サービス。
小売り店、レストラン、公共料金、映画チケットなどの支払いのほか、Eコマースの支払いも可能。
現在、利用者数は350万人以上、決済サービスを導入した事業者は6万以上。
4位 Fave(フェイブ)
Faveはもともと、フィットネスジムを検索→サブスクライブするサービス「KFIT」としてスタートした電子決済サービス。2017年にGrouponグルーポン(マレーシア、シンガポール、インドネシア)を買収したのち、Faveとしてサービスをスタート。
グルーポンを買収していることもあり、レストランやビューティー系の割引クーポンを購入することもできる。
電子決済サービスFavePayは、Faveのアプリの機能の一つで、キャッシュバックなどの特典が充実している。
5位 BigPay
エアアジアが提供する電子決済サービスで、プリペイド式のマスターカード(デビットカード)とスマートフォンアプリを連動させて利用する。
一番のメリットは、エアアジアのチケット購入にかかる手数料が無料になること。また、利用履歴やクレジット残高などをスマートフォンアプリで確認できる。