マレーシアにいる今だからこそ資産運用を始めよう

マレーシアで資産運用に挑戦③ 鈴木さんのケース


マレーシアで働き始め、現地の生活にも慣れてきた鈴木さんが、いつかは取り組まなければと考えていた資産運⽤に初めて向き合う。同連載を通じてファイナンシャル・アドバイザーの柏村さんから資産運⽤について学びます。


鈴木:前回は、一つの所有通貨に偏らない事の重要性や米ドルを一部所有することの意味合いについて学びました。

気になるのが、どのようなタイミングで米ドルを買い始めればいいのかということですが、その点はどうなのでしょうか?

柏村:良い質問ですね。「今だ!」のように通貨を替えるベストなタイミングを見極めるのは非常に難しいことなんですよ。

鈴木:どうしてですか?

柏村:ニュースを見ていると今は円安の傾向だ、、、とか反対に円高だ、、、などと言っていますし、そのような一定のトレンドはありつつも、結局は為替が有利に動くか不利に動くかは短期的には2分の1の確率なんです。

そのような不確定要素の強い中で常にベストなタイミングで米ドルを買い込むということは未来でも見えてない限り不可能なんですよ。

鈴木:一生懸命考えてタイミングを掴もうとするんだと思っていました・・・。

柏村:瞬間瞬間を起点に考えると、あの時買っておけばよかった、、、や、まだ早かった、、、のように思ってしまう可能性は常にあるんです。

鈴木:確かにそういわれると、今行動した方がいい気もするし、少し先延ばしした方がいい気もするし、いつ決心すればいいのか私には決められないかも……。

柏村:鈴木さんは積み立て型の運用をしたいと最初おっしゃっていましたが、積み立てのことを”時間分散型の資産運用”とも言う事ができます。

これにより極端に間違ったミスをすることも無くなりますし、タイミングのことを考えすぎて疲れる(そもそも読めるものではない)ことは無くなるはずです。

 

為替リスクを分散する「時間分散」の考え方

鈴木:「時間分散」と聞いてもなかなか想像しづらいので分かりやすく説明いただけますか?

柏村:基本的な考え方としては“行動を一回に集約させない”というものです。

例えばですが、5万円ほどを時間を掛けて毎月積み立てるということは、それ自体が行動の分散になってるんですね。

反対に、預貯金が1,000万円貯まったので何かを一気にやろう!一回で動かそう!となると”行動の集約”が起きます。

行動が集約されるということは、一つの点にタイミングが正解か不正解かが集約されるので、リスクがより大きくなることを意味します。

リスクを抑えつつ、、、という資産形成に積み立て型の運用が合っているということはこの点からも説明できるんですね。

鈴木:聞いてみると、思ったよりシンプルな考え方ですね!理解できました。

柏村:そうなんですよ。シンプルなんですけど、とても重要です。

今回は米ドルを買い入れるタイミングに関して行動の分散・時間の分散を当て込んでいますが、リスクを集約させないということは資産運用全般に重要な考え方です。

鈴木:なるほど。そのプロセスをたどれば、どのタイミングで円やリンギットを米ドルに置き換えたらいいのか、、、という心配をいちいちする必要がなくなるわけですね。

 

積み立てポートフォリオを考える

鈴木:柏村さんと話していたら、私のような人がある程度リスクを抑えて資産運用をしたければ、やはり積み立て方式が適していると分かってきました!

柏村:それはよかったです。これまで、一つの通貨だけを持ちすぎないことの重要性や通貨分散のタイミングなどに関してお話してきましたが、もちろんそこがゴールではありません。

時間分散型・積み立て運用の過程で、どのような内容で運用をしていくかという内容を決めていかなければなりません。

鈴木:なんかもう色々勉強になったので満足していましたが、どのような内容で運用するのかも大事なんですよね?

柏村:はい、もうちょっとお付き合いください(笑)

鈴木:私は自分で内容を決められる知識も自信も無いのですが、他のお客様を含め通常はどうされてるのでしょうか?

柏村:基本的にはファンド・オブ・インデックス型の運用をしています。

これだけ言ってもなかなか難しいかと思いますが、一つの国や分野にリスクを集約させない運用です。

鈴木:・・・。もう一声お願いします(笑)

柏村:例えば最近日本人によく知られているインデックスに、S&P500というものがあります。

端的に言えばアメリカ経済の中心を担うアメリカ企業500社が一つのバスケットに集められているものです。

S&P500のインデックスで運用するということは、その登録500社を同時保有するという解釈になるので、そのバスケットを1つを持つだけで相当な分散管理になると思いませんか?

鈴木:はい、500社を同時に運用対象として持てるということですもんね?

柏村:この時点でインデックス投資とも言われる訳ですが、当社の資産形成への向き合い方は一つのインデックスだけではなく、更に異なる複数のインデックスを同時保有して超広大に分散された複数のバスケットを持ちましょうというものです。

鈴木:S&P500以外にもインデックスは沢山あって、それらを組み合わせるってことですね?なんとなくわかってきました!

大きなバスケットの中にバスケットが沢山並んでいるイメージでしょうか?

バスケット一つで500もの内容に分けられるのに、更にいくつにも分散されるということですよね?それはなんか凄い気がします。

柏村:はい、全く難しくない形で徹底的な分散を行うので、あまりリスクは取りたくない人には合っている取り組み方かと思います。

鈴木:先ほどの時間分散によるリスクの軽減と、運用内容そのものの分散までされているのであれば、なんか安心して出来そうな気がします!

(最終更新日2021年7月13日)


◆著者プロフィール

柏村信光
通称かっしー。「Infinity Financial Solutions」のファイナンシャルアドバイザー。マレーシア・日本人商工会議所(JACTIM)の編集長&副広報委員長。マラヤ大学アジア・ヨーロッパ研究所卒。在馬歴14年。

金融庁公認のファイナンシャルアドバイザーとして、海外駐在員やリタイアメント・長期移住、母子留学や海外就職の方々など、それぞれの状況や課題に沿った資産運用・保険のサポートを行う。

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◆当連載について
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