ヒンドゥ―教の奇祭タイプ―サムでチャイナタウンの寺院を出発する銀の馬車
【写真】クアラルンプールのチャイナタウンを出発する電飾で飾られた馬車


多民族なマレーシアでは、各民族の大切な日を祝日としており、インド系のヒンドゥー教徒の祝日としして定められているのが「タイプーサム(Thaipusam / Thaipoosam)」と「ディーパバリ(Deepavali)」です。

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毎年1~2月頃に行われるタイプーサムは「ヒンドゥー教の奇祭」とも呼ばれる祭り。
会場のひとつであるクアラルンプール郊外のバトゥケイブには、例年、約150万人の信者と観光客が訪れます。

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ヒンドゥ―教の奇祭タイプ―サムでミルクが入った壺を担ぎはだしでムルガンの寺院をめざす信者たちの写真

タイプーサムはどんなお祭り?

タイプーサムは、タミル暦の Thaiの月の満月の日に、シバ神が広く信仰されている南インドのタミルナード州や、南インドに祖先をもつインド系が多いマレーシア、シンガポール、スリランカなどで行われます。


魔族(アスラ)との戦いで劣勢に立たされていたヒンドゥーの神々でしたが、シバ神の妻パールヴァティが槍を授けた次男ムルガンが魔族を破ったという神話にちなみ、ムルガンを祀る寺院が会場となります。

信者たちは祭り前に断食し、黄色い服を着て、体に針を刺したり、「カバディ(Kavadi)」と呼ばれるクジャクの羽根などで飾った神輿、壺に入れたミルクなどを担いでムルガンの寺まではだしで歩き、家族の病気の治癒や子宝など、願いが成就するように祈ります。顔や背中などに針や串を然して刺す苦行をする信者も多く、そのことから「奇祭」と言われているようです。

バトゥケイブのふもとを流れる川の岸では、民族音楽とともにトランス状態になったあと、背中などに針を刺して いく様子を見ることもできます。

バトゥケイブのムルガン寺院は子宝祈願が成就すると有名だそうで、念願かなって生まれた子どもを連れてお礼参りに訪れる信者も多いそうです。

ヒンドゥ―教の奇祭タイプ―サムで背中に針を刺して苦行する信者の写真

タイプーサムが行われる場所は?

マレーシアでは、クアラルンプールのほか、ペナンやイポーなど。
メインの会場はムルガン寺院ですが、多くの信者はパーヴァディを祀る寺院を豪華な馬車と共に出発し、徒歩でムルガンを祀る寺院を目指します。

クアラルンプールのルート
チャイナタウンのスリマハマリアマン寺院 → バトゥケイブ(スリ・スブラマニア・スワミ寺院)

Jalan Tun H.S. Lee→ Jalan Sultan→ Jalan Tun Tan Cheng Lok→Jalan Tun Perak → Jalan Leboh Ampang → Jalan Ampang → Jalan Munshi Abdullah → Jalan Dang Wangi → Jalan Raja Laut → Jalan Ipoh/ Jalan Sri Amar → Jalan Tun Razak → Jalan Ipoh Batu 5 → Jalan Kuching

ペナン、ジョージタウンのルート
スリマハマリアマン寺院 (クイーンストリート)→ Penang Waterfall Hill Templeの丘の上にあるムルガン寺院

Queen Street → Lebuh Chulia → Lebuh Victoria → Jalan Prangin → Jalan Magazine → Jalan Dato Keramat → Jalan Utama → Jalan Kebun Bunga

ヒンドゥ―教の奇祭タイプ―サムの会場となるバトゥケイブの写真

タイプーサムが行われるのはいつ?

例えば2020年は2月8日がタイプーサムの祝日ですが、クアラルンプールのチャイナタウンを馬車が出発するのは2月6日の夜10時ごろ。

遠方から徒歩で数日かけてバトゥケイブを目指す信者も多く、祝日当日に限らず、前後の日でもバトゥケイブはにぎわっています。

タイプーサムを観光する際の注意点

観光で行くなら、クアラルンプールならバトゥケイブ、ペナンならタイムズスクエア近辺か、ウォーターフォールヒルテンプル前の通りがおすすめ。バトゥケイブは非常に込み合うので、GrabよりもKTMを利用するほうがいいでしょう。

ムルガン寺院は丘の上にあることが多いのですが、寺院に通じる階段や丘の上の寺院周辺のスペースは非常に込み合います。特に日中は日射病などにご注意ください。

ヒンドゥー寺院で気を付けたいこと

ヒンドゥー寺院では、靴を脱ぐべき場所が決められています。靴をもって入ることも禁止されていることが多いので、気をつけましょう。

女性はミニスカートや短パンなど足を露出する服装は避けた方がいいでしょう。